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StereoData Maker(SDM)

StereoData Maker(SDM)は、CDHK(詳しくは、http://mywiki.jp/imatom/CHDKFAQを参照)をベースにし、キヤノンの一部のカメラを対象に、ステレオ撮影に適した機能を追加するプログラムです。
通常は、カメラは、カメラの中に組み込まれたプログラム(ファーム)で、いろいろな動作をしますが、SDカードに書き込まれたSDMを特定の方法で起動することにより、SDMから、カメラをコントロールできるようになります。
SDMは、カメラ内部のプログラム(ファーム)を書き換えるわけではなく、SDカードからカメラ内部のメモリーに一時的にロードして実行するだけなので、カメラの電源を切れば、一時メモリーの内容は消え、全く元の状態に戻ります。
ここで、重要なポイントは、
SDMは、カメラ内部プログラム(ファーム)のアドレスを解析し、そのアドレスを直接、呼び出して、制御しています。
その為、SDMでコントロールする為には、カメラのファームを解析し、それぞれの機能がどのアドレスにあるかを調べる必要があります。カメラは、機種毎にファームが異なるのはもちろん、不具合修正や機能追加等で、ファームがバージョンアップされると、SDMから呼び出す機能のアドレスも変わり、全く動作しなくなります。
場合によっては、同じ機種でも、仕向地(日本、USA、欧州等)でもファームが変わっている可能性もあります。
つまり、SDMは、カメラのファームのバージョンまで完全に一致しないと全く動作しないということです。
残念ながらカメラを購入する時に、カメラのファームバージョンは判りません。
ということで、SDMを使う為に、動作対象カメラを新規購入しても動作しない可能性がある事を認識して下さい。カメラの購入やSDMの使用はあくまで個人の責任で行って下さい。


SDMにより機能追加される主な機能としては、
 1. USB接続された外部リモートSWによる左右二台のカメラの完全同期撮影(撮影サンプルはこちら
 2. 液晶モニターへの基準線の表示
 3. 各種ステレオ関係情報の表示(最遠点、最近点の表示等)
 4. シャッター速度等、マニュアル設定できない機種でのマニュアル設定
 5. RAW撮影
 6. 露出を自動的に変化させての複数毎撮影
 7. インターバル撮影
 8. ゲーム、カレンダー等

IXY DIGITAL 10等、マニュアルでもシャッタースピードが設定できない機種でも、SDMを使えば、自由にシャッター速度を設定できるようになります。
SDMのメニューの[Image and Video Capture]の中の[Override shutter speed [off]]となっていると思いますが、方向キーでシャッター速度が変更できます。

SDMの完全同期撮影のしくみ
通常のデジカメの同期撮影は、リコーのCA1のようなオプションのリモートケーブルを改造して、二台同時にコントロールしたり、カメラを分解し、二台のカメラのシャッターを直結し、1台のシャッターで二台をコントロールする方法が考えられます。
いずれの方法も、カメラは常時、シャッターSWの状態を監視しているわけでなく、背面モニタへの表示やその他、いろいろな処理の合間に、シャッターSWの状態を見に行き、SWが押されていれば、シャッター動作に入ります。ということで、シャッターSWの状態を見に行くタイミングにずれが生じ、シャッター動作にかかる時間もばらつく為に、同期ずれが発生します。当然、カメラによって違いはありますが、1/100〜1/200秒程度のずれは発生すると思われます。
それに対し、SDMを使った完全同期撮影では、フォーカスロック、露出決定等々、シャッターを切る前に必要な全ての処理が終わった後、背面LCDも消し、リモートSWの状態だけ常時、監視し、リモートSWがOFFになった瞬間に、シャッターを切りますので、ほとんど左右の時間差が発生しません。(但し、カメラ内部の割り込み処理で、多少ズレが発生することはあります。)機種によって異なりますが、平均1/2000〜1/数万 秒程度で同期し、高速シャッターでも十分同期がとれるようになります。

SDMの使用上の注意
対応機種や対応ファームを間違えて、カメラからSDMを起動すると、カメラが何も言うことを聞かなくなり、電源スイッチもきかなくなります。このような場合は、電池を一度はずして、再度、セットすると、元に戻ります。SDMを自動起動にしている場合は、SDカードのLOCKスイッチをOFFにして電源ONして下さい。
基本的には、SDMは、カメラのファームやハードは一切、変更しないので安全なはずですが、使用は、あくまで個人の責任で行って下さい。

カメラでSDカードを初期化(フォーマット)すると、SDカードに入れたSDMも全て削除されてしまい、自動起動の設定にしてあると、SDカードがLOCK(ライトプロテクト)状態になっていますので、通常の撮影もできなくなります。この場合は、LOCKを解除し、再度、最初からSDMをセットアップして下さい。記録した画像のみを消去したい場合は、再生モードのメニューにある「全消去」をご使用下さい。

記録した画像をカメラとPCをUSB接続して取り込みたい場合は、SDカードのLOCKを解除して、カメラを通常モードにしてから接続して下さい。

使い方(Canon PoerShot A570ISの例)

1.リモートSWの製作とカメラへの接続
 まずは、外部からカメラをコントロールする為のスイッチの製作です。

2.SDMのダウンロードとSDカードへの書き込み
 つぎに、StereoData Maker(SDM)をWEBからダウンロードし、カメラのSDメモリーカードに書き込みます。

3.SDMの同期撮影の為の設定と同期撮影
 いよいよ、左右2台のカメラでの同期撮影です。
注意)A720IS等は、カメラのメニューに[Firm Update]がなく、この方法では、SDMを起動することができません。
こちらの説明を参考に、SDMを設定して下さい。


4.カメラが電源ONした時に自動的にSDMを読み込む設定
 毎回、電源ONする毎に、手動でSDMを読み込むのは面倒なので、自動で読み込む設定をお勧めします。
注意)FAT32でフォーマットされたSDカードでは自動起動できません。FATでフォーマットして下さい。
但し、FATでフォーマットできるのは、4G以下のSDカードです。4G以上のSDカードでは、FATでフォーマットできません(自動起動できません)のでご注意下さい。
SDM Ver1.70より一部の機種で4G以上のカードで自動起動可能になりました。くわしくは、こちらを参照して下さい。

CHDKのFAQによると、4Gであれば、特殊な方法でFATでフォーマットできるようです。)

5.同期精度の確認
 2台のカメラで、どの程度、同期がとれているか、確認してみましょう。

6.ビデオモードでの同期撮影
 いままで説明した方法は、ビデオモードでは使えません。
 少し同期性能は落ちますが、ビデオモードでの同期撮影方法を紹介します。

7.SDMの改造
 SDMを改造し、スクリプトを使わず、電源ONですぐに外部リモートSWを使えるようにしました。
 リコーのケーブルSW(CA1)を使えるようにしました。
 SDM Ver1.60で正式にこの機能が取り込まれました。

8.SDMの改造(ZOOMのリモートコントロール他)
外部リモートSWでスクリプトを使わずに、TX1のビデオ撮影に対応した他、ズームコントロールや、再生時の画像送り/戻しも、リモートSWでコントロールできるように拡張しました。

9.大容量SDカード(4GB以上)でのSDMの自動起動
SDM Ver1.70より一部の機種で4G以上のカードで自動起動可能になりました。

10.SDMを使ったオートブラケットとHDR合成
スポーツシーン等で活躍するステレオ同期での、連写機能や、自動で露出を変えて撮影する機能(オートブラケット)が追加されました。

11.SDMインストーラー
PC上で、パーティション作成、フォーマット、SDMのコピー、自動起動設定まで全て自動でできるツールを開発しました。


画像サンプル(Canon PoerShot A570ISの例)

1.ステレオ写真サンプル

2.フラッシュ撮影テストサンプル

3.ビデオモードでの同期撮影サンプル

Canon デジタルカメラ PowerShot (パワーショット) TX1
ステレオデーターメーカー(SDM)を使えば、完璧な同期撮影が可能になります。横並びで、ステレオベースを40mm以下に設定できます。
価格COMでもamazonが一番安いようです。(2008/05/10現在)