基本的な考え方
自動起動は、FATパーテーションからしかできず、保存は、大容量のFAT32パーテーションに行うということで、SDカードを、FAT(2Mバイト)とFAT32(残り容量)の二つのパーテーションに分け、特殊な方法で、通常は、FATパーテーションしか見えない状態にしておき、カメラから自動起動でSDMが立ち上がると、SDMの中で、データ用のパーテーションをFAT32側に切り替え、画像や動画の保存は、FAT32側に全て保存されるようになります。
スクリプトや設定情報も、FAT32側が使用されます。
しかしながら、カードリーダーでPCからこのカードを読んでも、FAT側しか見えず、FAT32側に保存した画像/動画は、一切見られません。ということで、記録した画像や動画をPCに取り込む為には、直接カメラとPCをUSBケーブルで接続して読み込むか、カメラの電源を切る前にFAT32側に切り替えるという操作が必要になります。この場合、再度、カメラに接続しても、FAT32側から自動起動できませんので、通常通り、Firm
updateでSDMを起動し、再度、FAT側に切り替える事が必要になります。(これがちょっと煩わしいです)
二つのパーテションに切った後、元の1つのパーテーションに戻したい時は、カメラからSDカードの初期化を行うか、各社が出しているSDカードのフォーマットツールをお使い下さい。
カメラ側の設定とPC側の設定を交互に行う必要があり、インストールや撮影した映像の取り込みが、少し面倒です。また、A720等、カメラにファームのバージョンアップ機能の無い機種では、インストールもできません。
そこで、PCだけで、ボタンをおせば、自動的にインストールしたり、バージョンアップや画像取り込みができるツールを開発しました。
設定及び使い方
1. SDカードをカメラ本体で初期化
2.SDMのページから最新のSDMをダウンロードし、SDカードにコピーする。
3.本体メニューからFirm Updateを選択し、SDMを起動する。
4.SDMのメニューからDebug parameters ->を選択
5."Make card with two partitions"を選択し、ダイアログが表示されたら"Yes"を選択
6."Swap partitions"を選択し、カメラの電源を切る。(この状態で、PCからは、FAT32側が見える)
7.カメラからSDカードを取り出し、SDカードをFAT32でフォーマットし、再度、SDMをコピーする。
(FAT32側の容量は、オリジナルの容量 - 2MBです)
8.本体メニューからFirm Updateを選択し、SDMを起動する。
9.SDMのメニューからDebug parameters ->を選択
10."Swap partitions"を選択し、カメラの電源を切る。(この状態で、PCからは、FAT側が見える)
11.カメラからSDカードを取り出し、SDカードを今度は、FATでフォーマットし、再度、SDMをコピーする。
(FAT側の容量は、2MBです)
12.SDMに同梱されているbootable_mod.exeを実行し、SDカードを自動起動可能にする。
13.SDカードを書き込み禁止(ライトプロテクト状態)にして、カメラにセットする。
以上の設定で、カメラの電源を入れると、SDカードから自動起動し、通常通り、静止画、動画は、大容量のFAT32側
に保存されます。
保存したデータの取り込み方
- PCとカメラを直接接続するケース
1.SDMのメニューからScripting parameters ->を選択
2.Disable USB Downloadを解除する(●が表示されない状態)
注)これを解除すると、再生モード時のリモートSWでの画像送りができなくなります。
3.SDMを待機状態(ALT表示の無い状態)にし、カメラを再生モードにして、USBケーブルでPCに接続する。
4.PC側から、カメラのデータを取り込めるはずです。
-SDカードリーダーで読み込む場合
1.カメラの電源を切る前に、SDMメニューのDebug parameters ->"Swap partitions"を選択し、カメラの電源を切る。
2.SDカードリーダーで、通常通り、データを取り込む
このあと、SDカードをカメラにセットして電源を入れても、FAT32側になっている為、自動起動しません。
3.本体メニューからFirm Updateを選択し、SDMを起動する。
4.SDMメニューのDebug parameters ->"Swap partitions"を選択し、カメラの電源を切る。
SDカードのライトプロテクトがかかったままであれば、これで、再度、自動起動できるようになります。
少し、複雑ですが、慣れれば、たいした手間ではないと思います。